第002回 時代や年代のあらわし方
今日は、陽斗くんと奈々さんが時代や年代のあらわし方について話し合ってます。
どんなことが話し合われているのでしょうか。耳をすまして、ちょっと聞いてみましょう。
陽斗:歴史ってさ、江戸時代とか明治時代とかあるけど、どうやってあらわしてるの?
奈々:いろんなのがあるんだけど。じゃ、まず、『西暦年』について説明するわ。
陽斗:なに、それ。今年は、2013年とかっていうやつ?
奈々:そう、それなんだけど、これはヨーロッパで作られたものなの。
あのイエス・キリストが生まれたっていう年を『紀元1年』ってするの。
陽斗:へえ、でも、1年のことを元年っていうじゃない?
奈々:そう、よく知ってるじゃない。
大切なのは、歴史は1から始まって、0で終わること。
陽斗:なんで、大切なの?
奈々:あのね、みんな数学と勘違いしちゃうのよ。そうだ、0から始まるって。
でも、歴史は0で終わるの。
陽斗:そっか。でも、キリストが生まれる前はなんていうの?
マイナス紀元0年から始まるの?
奈々:ちがうわ。キリストが生まれた年を境にして、生まれる前を『紀元前』、
生まれた後を『紀元後』っていうの。でも、『紀元後』は、もうわかってるから、
省略することが多いわ。そして、『紀元前』を『B.C.』、『紀元後』を『A.D.』っ
て表記するのよ。いつもじゃないけどね。
陽斗:そうなんだ !!
奈々:でもね、最近わかったことなんだけど、キリストが生まれたの紀元元年じゃないら
しいの。
陽斗:えっ!じゃ、いつ生まれたの?
奈々:それがねぇ、紀元前4世紀ぐらいだって、いま、いわれてるのよ。
だから、教科書の年表にキリストが生まれた年を紀元前4世紀って書いてあること
があるのよ。
陽斗:気づかなかったー!っていうより、だいたい、年表みてないしー。
奈々は、いろいろ細かいところまで読んでるんだねー。
奈々:それから、西暦年を100年単位にして年代を区切るのが『世紀』。
陽斗:んー!じゃ、紀元元年から100年が1世紀ってこと?
奈々:その通り。陽斗くん、けっこう、するどいのね。
陽斗:じゃあ、101年から200年までを2世紀っていうんだね。
奈々:その通りよ。じゃあ、2000年は何世紀かしら。
陽斗:えーと、う、よくわかんないけど、、、20世紀かな。
奈々:そうよ、さっきいったでしょ。歴史は0で終わるって。
陽斗:そうだったね。
奈々:それでねぇ、いままでは、ヨーロッパつまり、西洋のあらわし方だったでしょ。
陽斗:うん。
奈々:今度は、日本のあらわし方を説明するわ。
陽斗:あー、なんか、面倒なことになりそー。
奈々:そんなこといわないで、聞いときなさい。一回しかいわないわよ。
陽斗:なんか、先生がいるみたいだよ。
奈々:『年号』って考え方があるんだけど。
陽斗:あっ、知ってる、今は、『平成』でしょ。天皇が死んだら変わるやつ。
奈々:それを言うなら、天皇が崩御されたっていうの。でも、半分正解よ。
このあらわし方は、中国にならっているの。7世紀に『大化』っていう年号を
使い始めたのが日本では最初っていわれてるわ。
陽斗:へぇ、そうなんだ。
奈々:でも、その天皇一代に年号をひとつにしたのは、ごく最近のことなのよ。
陽斗:いつごろからなの?
奈々:明治時代のことなの。
陽斗:知らなかったー!!
奈々:ほかにも、『応仁』、『慶長』、『大正』、『昭和』 ・・・ 書いてたら、きりがないわ。
陽斗:そうだよね。ぼくらも、もう、2ページも話しちゃってる。まずいんじゃない?
奈々:どうして?
陽斗:仲がいいから、もしかして、できてるんじゃない、なんて、読んでる人が
思っちゃうかも、、、。
奈々:なに、考えてんのよ。いまは、歴史や年代のあらわし方について話してるんでしょ。
どっか、遊びに行こうかとか、友達のうわさ話とかしてないじゃない。
陽斗:そうだね。で、まだ、なんかあるの?
奈々:それが、あるのよ。歴史の流れを大きく区切るときに使うのが
『時代区分』っていうの。いろんなわけ方があるけど、中学生では、
次の2つぐらい知ってたらいいんじゃない?
陽斗:どんな分け方があるの?
奈々:えっとね、まずは、社会のしくみの特徴でわける方法。
陽斗:うーんと、原始、古代、中世、近世、近代、現代ってやつかな。
奈々:それよ。それと、もうひとつ、政治の中心地によって分ける方法。
陽斗:それは、飛鳥時代、奈良時代、鎌倉時代、それに、江戸時代!!
奈々:すごいわね。そこまで、できたら、定期テストで100点とれるんじゃない?
陽斗:そっかな。それ、おせじ?
奈々:べつに、そういうわけじゃないけど。
陽斗:ところで、もうないの?
奈々:あるけど、もう、2ページもしゃべってるから、また、今度にするわ。
陽斗:そう、じゃあさ、お茶でもしよーか。
奈々:それこそ、できてるって思われちゃうよ。
陽斗:そっか。でも、のど渇いたし、いいじゃん。
奈々:そうね。じゃ、今日のところは、これで、おしまい。
陽斗:次回の予告とかしないの?
奈々:でも、これ読む人少ないんじゃない?
陽斗:いいじゃん、そのうち、増えるかも知れないし。
奈々:じゃあ、次はね、『歴史の調べ学習のし方について』を勉強するわ。
陽斗:適当でいいじゃん、行き当たりばったりで。調べてるうちに変わってくるし。
奈々:だめよ。一応、順番や考える筋道があるんだから。それを次回、説明するわね。
ここから、まじめにまとめておきます。